最近、TVや映画を見ていて、ヤケに気になることがある。
関西弁とは似て非なる、関西弁もどきだ!
どんな名作もどんな秀逸ドラマも、このチンケな関西弁もどきを聞いた途端
モノの見事に興ざめする!
どんな名優でも関西以外の出身者に関西弁を無理矢理喋らすのは、やめた方が良い。
関西以外の人達にとっては、それは多分、関西弁に聞こえているのだろうが、
関西人にとっては、鳥肌立つ気色悪い異国語だ。 関西風 (!) にもなっていない。
ストーリーの構成上、どうしても関西弁が必要なら関東の大物タレントやベテラン俳優ではなく
コテコテの関西芸人を起用しないと折角の名作が珍作・駄作になり下がる。
関東での視聴率は良いが、関西ではイマイチ! というTVドラマなどは、
こう言った ” ミスキャスト ” が原因になっている事もある。
関西弁ではない関西弁を関西弁だと信じている東京キー局のおエライさんには
考えも及ばない低視聴率要因の一つだ。
勿論、関西弁と言っても大阪弁や京都弁・神戸弁・奈良弁・和歌山弁 等々微妙に違いはあるが、
それらを含めて、関西弁のアクセントや、そのボキャブラリーは、
関西で産湯をつかり、関西のオッサン、オバハンに囲まれて育った人間以外には
絶対と言っていいほど使いこなせない。
自慢している訳ではない。それほど地域に根ざした土着語だと言う事だ。
江戸っ子の言う ” 粋(イキ) ” が、浪速っ子には理解出来ないのと同じようなモノだ!
でも浪速っ子は京の ” 雅(みやび) ” は、わかる。
関西弁は、各地の方言を平準化したような関東弁(東京弁?)とは違い、クセのある言葉だ。
東京弁と関東弁は違います! と東京の方々がおっしゃるようなレベルのクセではない。
なんせ、関西弁は関西土着の言葉ですから! 関西圏だけの民族語と言ってもいい。
鈴虫坊が四十年近く勤めていた企業は、いわゆる関西系で当然乍ら関西出身者が多かった。
当時はまだ今のように関西弁が全国でもてはやされるような時代ではなかったので、
転勤で関東 ( 特に東京 ) へ行った関西人間達が暫くして、たまに帰ってきたりすると、
得意げに、ケッタイな東京弁を操り出す。
聞いていて、関西弁でもなく関東弁でもなく、はたまたいわゆる標準語でもなく・・・・・。
そればっかりが気になって話の中身が上の空になった経験は一度や二度ではない。
いやそれどころか、話を早く切り上げて一刻も早くその場を立ち去りたいと、いつも思った。
生粋の関東人には、なおさら耳障りな事だっただろうと思う。
近頃は関西弁も全国区になり、慣れない関東弁を無理矢理操る必要も無くなったのか
あまり身近でそういう言葉遣いは聞かなくなったが、逆に関西以外の人達が、
関西弁ではない、そして尚且つ、関西弁とはほど遠い
エセ ( 似非 ) 関西弁を話すのを聞く事の方が多くなった。
頼むから やめてんか! 関西弁やない関西弁を ” どや顔 ” で話すのは!
関西風 (!) にもなってへんねから・・・・・ そしてそれは、関西弁とちゃうから! ・・・・・
蜘蛛と雲、箸と橋、雨と飴・・・それぞれのアクセントは何処?・・・
考えてから口から発するようだと、すでにそれは関西弁ではない!
脳ミソの答えより先に口を衝いて出てくるのが関西弁の関西弁たる所以だ。
定価5万円のバッグ・・・セールで29,800円で買えた時!貴方はどのように自慢しますか?
さりげなく、ブランドショップで5万円で買ったような振りをしますか?・・・それとも
いかにして今まで見た事も聞いた事もない ” 大特価 ” で手に入れる事が出来たか!を、
延々とそして鼻高々と自慢しますか?
” 人より1円でも安く手に入れる事 ” に、闘争心を燃やし、生き甲斐を感じ、
さらにそれに尾びれ背びれをくっつけて勝利宣言を発する時、
コテコテの関西弁が本領を発揮します。
そして、この時の顔つきこそが ”ホンマもんのドヤ顔 ” ちゅうんですわ!
ハッキリ言っときます!
関西弁は訓練しても努力しても勉強してもしゃべれるようにはなりません!
何故なら・・・・・それは・・・・・昔から関西に住み着いている土着民の言葉だから・・・・・!
三代超えて土に返って初めて身に付く言葉だ。
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